鍵を閉めたはずのロッカーから中身が盗まれた

アルバイトのわたしたちは、いつもロッカーで着替えています。ロッカーに貴重品は入れてはいけないことになっているのですが、制服のポケットに入れたまま仕事をするのも嫌なので、ときどきバッグごとロッカーにしまって仕事をすることがあります。
バイト仲間にはロッカーにカギをかけない人が結構います。もともと貴重品は入れられないのだし、カギを失くしてしまうと大変だし、いちいちカギをかけたり解錠したりも面倒だというのが、どうやらその理由のようです。
わたしはそういうのがイヤなのと、ときどき財布をロッカーに入れっぱなしにするので、必ずカギをかけるようにしていました。

ところがカギのかかっているはずのロッカーから、財布が盗まれるという事件が起きました。盗まれたのは私の友人で、その日たまたま、お財布ごとロッカーに入れていたのだそうです。その娘ももちろん、ロッカーにカギはかけていたのですが、バイトが終わって着替えにロッカー室へ行くと、自分のロッカーのカギが開いていたため不審に思ったのだそうです。最初はうっかりかけ忘れたのかもと考えたそうですが、ロッカーの中も物色したようなあとがあり、まさかと思ってバッグを開けてみると、財布の中身がなくなっていたということでした。

幸い、被害額も大したことはなかったそうですが、それにしてもカギをかけてあったロッカーが、いつの間にか開けられてしまったことには、バイト仲間もみんな衝撃を受けていたようです。バイト先の社員さんからは、貴重品を入れてはいけないという点を厳重注意されましたが、それよりも誰がロッカーのカギを開けてお金を盗んだのか、突き止めてほしいと思い、バイト先の先輩に相談しました。私たちはロッカーの合鍵を管理している人が怪しいと思ったのですが、その先輩は実際に被害にあった娘のロッカーを、安全ピンで開けてしまったのです。それ以来、誰も貴重品はロッカーに入れなくなりました。